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若者の力を復興の力に

復興支援の様々な活動に参加し、貢献しながら、自分にできることを考えるワークキャンプとして、2012年6月から1年半続けてきた本取り組みですが、今回がファイナルとなりました。参加者は、学生7名、社会人の1名、スタッフ2名の計10名と満員御礼。最後とはいっても、これまでと変わらず真摯に現場に向き合うプログラムとなりました。

1日目

最初の訪問先は、NPO法人3.11被災者を支援するいわき連絡協議会、通称「みんぷく」さん。ここはいわき市で復興支援に取り組むNPOらのネットワーク組織です。事務局の鵜沼さんに、福島や被災者・避難者が抱えている問題、支援団体による支援状況、今後予想される問題についてお話しを伺いました。医療福祉問題から、農林水産・観光業、日々の暮らしまで、原発事故に起因する問題は複雑に絡み合っています。抱えている課題の困難さや福島の今を整理することができました。またこれからは、復興公営住宅の建設が進んでおり、完成すれば仮設住宅から住まいを移していくことになります。これまで構築してきたコミュニティがばらばらになることも予想され、コミュニティの再構築が必要になるとのことでした。

午後は海岸線沿いを視察したあと、市民の力で苗木を育成、供給し、 海岸林の再生に貢献する「苗木 for いわき」プロジェクトの活動に参加しました。海岸林の再生には、新しく木々を植えることも大切ですが、それ以上に植えた後の手入れなどが必要となってきます。そこで今回は、植えた苗木の周辺の整地を行いました。強風と時折ぱらつく雨と戦いながら、黙々と時にワイワイと伐採した木々を運び、片づけ作業をすすめました。あっという間に片付いていく光景をみると、人の力はすごい。と実感します。何年と木を植え、整備していくにはたくさんの人手が必要です。これからも継続して関わり続けていきます。

その後は、宿泊先のいわき市三和にあるフクシマ環境未来基地にある「三和ハウス」へ。食事をみんなで作って、近くに住む老夫婦と一緒に食卓を囲みました。僕らの知らない色んなことを教えてもらうことができ、こうした交流もこのキャンプの楽しみの一つです。
1日の締めは、「ふりかえりタイム」。活動をして感じたこと、考えていることなどをみんなで共有し、翌日の活動に繋げる時間です。そのままみんなで語り合いが始まり、そんなこんなで夜はふけていきました。

2日目

2日目のAMは、楢葉町から避難されてきている方々の仮設住宅で木工教室を開催しました。2手に分かれて、2か所で同時開催。木のボードに木の実や枝などでアレンジする、WELCOMEボードを作ります。どちらも多くの方が参加してくれ、一緒に考え、手を動かしながら、交流することができました。

午後は、“これまで”と“これから”を考えるワークショップ。震災から3年が経った今、“これまで”を振り返ってみました。当時は何をしていたのか、はじめて支援活動に参加した時のこと、これまでの自分の暮らしと震災などなど、たくさんの切り口で仲間と一緒に想いを巡らせました。この春、大学を卒業し社会人になるもの、大学を休学するもの、進級し環境が変わるものなど、それぞれのステージが変わっていく中、“これから”についてそれぞれの想いを整理してもらいました。参加者たちの言葉はどれもしっかりと自分を見据え、未来を展望する力強い言葉で、これからのみんなの歩みを楽しみにしています。

2年間のワークキャンプを通じて

福島の復興は少しずつですが進んでいます。ですが、まだまだ多くの課題を抱えています。これまで約2年間定期的に福島県を訪れ活動していく中で、想いのあるたくさんの方々が解決の糸口を模索し、その課題を解決すべく立ち向かっている現場を目の当たりにしてきました。その姿に勇気づけられ、この活動を続けられたと感じています。そしてこの壁を乗り越えるため、まだまだたくさんの若者の力を必要としています。ワークキャンプとしては最後になりますが、これからも継続して福島に関わり続けていくつもりです。これまでのワークキャンプにご協力くださったたくさんの団体、福島のみなさま、そして参加してくれたみなさま 、どうもありがとうございました。

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