プロジェクトサマリー
薬物依存回復支援の専門組織で、職員が社内で新たな支援メニューのアイデアを提案しやすくするきっかけを創出するプロジェクト。インターン生が職員にヒアリングし、組織の強みを活かした新たな支援メニューのアイデアを得る。
プロジェクト名
薬物依存者の将来の支援メニューを創造する、社内アイデアのヒアリングプロジェクト
受入団体
特定非営利活動法人 栃木DARC
概要
現在、薬物依存者に関する課題として、施設で支援を受けて依存症から回復を果たすも、実際に社会復帰へ繋がらないという人々の存在が挙げられる。そのような現状を克服するため、若者と職員が栃木DRACの回復支援施設を回りながら、つむいだアイデアを、若者がまとめ・情報収集・検証を行い、新たな支援メニューの創造をサポートする。
プロジェクト背景
平成28年6月より『薬物使用等の罪を犯した者に対する刑の一部の執行猶予に関する法律』が改正される。これにより、栃木DARCでも利用者の増加を予測し、それに対応するために県内に施設を開設する。その際の課題が主に2つ存在する。1つは開設する施設のある地域の管理や栃木DARCとの調整を行う新たな役割として、『エリアマネージャー』が必要となるが、その人を支える人件費が無いということ。2つはDARCで薬物依存状態から回復はするが、実際に社会復帰へ繋がらないケースが存在することである。
以上の課題解決のためのアイデアが、代表以外の職員からなかなか出てこないというのが背景である。
インターン生の取組み
1日目〜3日目
- 団体の業務理解、新たな支援メニューのアイデアにつながる情報取集
薬物依存者の支援について、職員と回復支援施設を回りながら、現在の支援内容を知る。
4日目〜9日目
- 団体の課題の理解・新たな支援メニューのアイデアを職員からヒアリング
新たに開設する施設のエリアマネージャーを支え、かつ回復支援を受けた後に社会復帰へ繋がらない利用者への対応をするためのアイデア・支援策について職員にヒアリングを行い、まとめる。また、これらの課題に対応するために現在行われている試験的な事業について、調査のサポートを行う。
10日目〜11日目
- ヒアリングしたアイデアの発表に向けた準備・発表
職員からのヒアリングを行ってまとめたアイデアについて、代表・社員の前で発表を行う。
特徴
特徴1
これからの薬物依存者の支援策に最前線で向き合う職員と共に、アイデアが生まれる現場に立ち会える
特徴2
回復支援の仕組みを広く学べ、社会復帰へ向けた新たな支援メニューの創造に携われる
期待する成果
- 新しい社会復帰の仕組みを生み出し、かつエリアマネージャーの人件費を支える収益事業アイデアを2つ以上、職員に対するヒアリングから引き出す。
- 現在栃木DARCが試験的に行っている事業について、同業種の料金の相場を調査し、職員に報告する。
仕事内容
- 栃木DARCの職員に対し、新たな支援メニューのアイデアに関するヒアリングを行い、そのまとめを社内で発表する。
- 課題2つの対応策として試験的に行っている事業について、業界の相場を調査して、リストを作成する。
得られる経験
- 他者の意見をまとめ、立場の異なる人にアイデアとして提案する力
- 課題解決のためのアイデアを他者から引き出す力
- 現場の職員、団体の代表、利用者など様々な立場の人と関わって培われる、コミュニケーション力
- 課題を発見し、現状を把握して解決に近づけていくことのできる、多角的視点
出会える職業
NPO職員
こんな人におススメ
- 社会復帰を望む人々の力になりたい人
- 現状の課題を解決するためのアイデアを引き出して、解決に導く提案をしたい人
- 薬物依存者支援の現場に興味がある人
- 大学の実習では学べない、現場に携わりながら組織の課題解決に貢献したい人
事前課題
- なし
勤務条件
期間
2015年11月1日~2015年11月30日のうち(150時間程度)
勤務頻度
学期中
応相談
長期休暇中
応相談
勤務時間
学期中
(平日、曜日は相談可)
長期休暇中
(平日、曜日は相談可)
勤務地
〒320-0014
栃木県宇都宮市大曽2-2-14
形松ビル2F
活動支援金
活動支援金支給
なし
交通費支給
なし
応募方法
希望者は以下よりエントリーシートをダウンロード、記載の上、当事務局までお送り下さい。
追ってこちらよりご連絡いたします。
応募先
ysn_officeアットマークtochigi-ysn.net
(件名を「栃木DARCインターン希望」としてください)
経営者プロフィール
特定非営利活動法人栃木DARC
代表理事
栗坪 千明
1968年宇都宮市に生まれる。専門学校を卒業後、建設関係の会社に勤めるが、5年後、自身が薬物依存症に陥り、薬物依存リハビリ施設「ダルク」に入寮、リハビリを終了後、回復者スタッフとして社会復帰。
その後、アメリカなどの治療共同体を研修し、2003年に栃木ダルクを設立。日本で初めての階層式のプログラムを実施。
現在は、栃木ダルク4施設の運営。施設での家族相談、家族教室の開催。リハビリプログラムの開発。黒羽刑務所の覚せい剤教育、団体などに向けた講演、などで活動している。
現:法務省保護局薬物地域支援研究委員/栃木県薬物依存症対策推進委員/榛名女子学園認知行動療法スーパーバイザー
経営者メッセージ
新分野の新事業
日本における薬物依存回復支援は他の先進国に比べ立ち遅れている。そのような現状のなか法務省主導で来年度から施行される「刑の一部執行猶予制度」は日本で初めての薬物依存回復支援制度として期待が寄せられている。この制度は刑罰では回復しない薬物依存者の実刑を短くして、社会資源による処遇にスライドさせ、再犯率を低下させようというものである。
その社会資源の一つとして大きな役割を果たしていくのが1985年回復支援施設として誕生したダルク(Drug Addiction Rehabilitation Center)である。現在ダルクは全国に50施設を超える展開を見せているが、どの事業所も経営的に苦しい運営を続けている。社会のニーズに応えるための人件費の確保、新規プログラムの開発費の確保は必要なことであり、最優先課題である。国や自治体の支援策が少ないなか、自分たちの力で生み出していくための営利事業の展開は重要な鍵となるであろう。
これまでの栃木ダルクの経験では、回復支援プログラムの運用に関しては、かなりのスキルを手にしているが、こと営利事業に関しては発想がなかなか生まれないのが現状である。回復支援の現場を理解し、これまでのダルクの回復支援プログラムに連なる形でステージアップとしての営利事業は、今後この業界でのモデルとなっていくことだろう。
特定非営利活動法人栃木DARC 代表理事 栗坪 千明