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・フィールドワーク研修全2回

趣旨:『地域の実態を明らかにし、ステレオタイプではない地域の現状を把握するため、地域の課題を捉える手段を手に入れる。地域の捉え方、理解の捉え方を学ぶ。』

白鴎大学教育学部教授 結城史隆教授を招いたフィールドワーク研修を行いました。

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まず1回目は、従来の地域おこしの事例を学ぶということで、【リーダーシップ型 事例:大分県日田市大山町】【人材育成型 事例:一村一品運動】【交流・体験型 事例:別府ハットウオンパク】の地域おこしを教えて頂きました。その後、社会調査ということで、フィールドワークの視点・手法を学びました。

第2回は、1回目のフィールドワークの手法を用いり、社会マップ作りとインタビューを行ってそれを発表し合い、その後に住民参加型開発演習として、総当たり対抗ランキングのワークショップを行いました。

総当たり対抗ランキングの考え方は、1、様々な問題点を二が抱える課題や重要度を認識する。3、その総合得点で順位づけをし、課題整理の入り口とする。

総当たり対抗ランキングは議論することが目的で、順位をきめることが重要ではなく、議論し状況把握し、問題解決の糸口を見つけることが目的です。

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フィールドワークの視点や手法を学んだ中で自分が印象に残っているのは、「フィールドワークとは、人の話を真摯にうかがい、人々のコミュニケーションを通して、それらの人々への理解を深めると同時に、自分に対する理解も深める活動である。」ということです。

実際に地域の方2名にインタビューさせて頂きましたが、昔からそこに住んでいる人にしか分からないことや今の地域に対する想いなどを聞くことができました。その中で、同じ市内でも、地区によって温度差があったり、世代により思い入れや考え方も違う、というのが分かりました。

社会マップ作りは、明確なテーマを用いずに街中を歩いて自分が興味を持ったものを地図に落とし込んだだけだったので、浅い内容となってしまい反省しています。

歩いてみると車では目に留まらなかったことが目についたり、距離感も分かったりと、歩いてみて初めて分かることがあると実感しました。今回テーマを持たず歩いてしまいましたが、その中でも、寺社仏閣が多いこと、呉服屋さんが何件かあったり、旅館があったりと、城下町の面影が残っているな、などいくつかの発見がありました。

また、商店街が一つではなく複数あり、昔ながらの良いお店が各通りに所々残っているけど、通りが多すぎてどの商店街を中心に活性化に取り組むのか、というのは難しいなと思いました。

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・PCM(プロジェクト・サイクル・マネジメント)研修

趣旨:モノゴトを論理的に考え、プロジェクトを立案・運営管理する手法を学び、協力隊の活動に必要な「問題分析」、「企画立案能力」を高めます。

PCM(プロジェクト・サイクル・マネジメント)とは?(以下抜粋)

プロジェクトの計画立案・実施・評価という一連のサイクルをベースに、問題やその解決

策を論理的に整理・分析し、運営管理する手法です。現存する問題から分析を行い、これを

解決する問題解決型手法のひとつで、参加型で行うのが特色です。

PCM手法は、PDM(プロジェクト・デザイン・マネジメント)と呼ばれるプロジェクト

概要表を用いて運営管理する手法です。PDMはプロジェクト計画を構成する「目標」「活動」「投入」等を含み、それらの論理的な相関関係を示しています。

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PCM研修は、那須烏山市のみならず、栃木県内の他自治体の地域おこし協力隊にも声を掛け、6自治体11人の協力隊または担当職員の方が参加してくれました。

前回の研修で総当たり対抗ランキングのワークショップを初めてやりましたが、頭も使うし、問題の捉え方も難しいと実感しました。今回は人数が増えてのワークショップで、グループで一つのプロジェクトとしてまとめるという、さらに難易度の増した感じとなりました。

個人個人で考え方も全く異なってくるので、意見をまとめて一つのプロジェクトを作るのはとても大変な作業でした。物事を論理的に考えること、どうして自分がそう思うのかをしっかり説明できること、相手の意見を冷静に聞けること、が良い議論をするためには必要だと思いました。

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そして、とことん議論することが良いプロジェクトを生むには必須であると感じました。自分は論理的思考も語彙力も意見をはっきり言うことも、まだまだ足りないと痛感したので、本を読むなり文章書くなり意見を言う機会を増やすなり、と個人レベルでのスキルも上げていかないと思っています。

また、こうした研修を私たち那須烏山市の協力隊だけでなく、他の自治体の協力隊と一緒にできたことはよかったですし、今後も他の自治体とお互い共有していきたいなと思います。

 

 

・先輩隊員訪問(調査中)

今回、研修の一環として、「先輩隊員の活動訪問」というのが用意されています。

県内外の地域おこし協力隊の活動を視察見学するという内容ですが、どういう基準で選ぶかを協力隊3人で考えて、以下のように選定することになりました。

1、起業している。起業のイメージが持てる。2、着任の条件が似ている。地域条件が似ている、もしくは真逆。まちの雰囲気が似ている。3、コンテンツへの共感・参考。活動フィールド(駅前)の親和性。情報発信しているか。4、同じ悩みを持っている。訪問する際の距離的問題。5、訪問が実現可能かどうか。

選定基準の優先順位としては1の条件が一番高くなります。全国の協力隊のOB・現役隊員の中からロールモデルとなる方を見つけて、訪問させて頂くことになります。

が、まだどこの誰を訪問するかは調査中です。せっかく訪問するので、自分たちの今後の活動に活かせるような訪問としたいと思います。

 

 

・3か月を振り返って

この3か月ですが、本当にあっという間でした。

まずは地域のことを知る、地域に馴染むことが大事だと思うので、そういう面ではユースが用意してくれた団体訪問などは街のキーマンと繋げて頂いたので、とても良かったと思います。

しかし、知らないことや市内でも行ったこともない地区もあるし、馴染んでいるとはまだまだ言えません。

また、イベントの手伝いや出展、研修、懇親会・飲み会など、いろんなことが重なると体力的にも精神的にもキツくなるというのを身をもって経験しました。

全国の協力隊からもよく耳にすることでしたが、こういうことかと実感しました。自分で調整していかないといけないことではありますが、こうした状況になるべくならないように気を付けたいと思います。

イベントの出展などは、準備や段取りの面で勉強になりましたし、地域の方や役場の方に協力してもらい、感謝しています。これからも地域や役場の方の協力なしには活動できないと思うので、うまく連携していきたいと思います。

活動としてはまだお手伝い的なことしかできていないので焦る気持ちはありますが、いきなり何か事を起こすこともできないので、じっくり地域のこと・地域の人たちを知っていって自分なりの活動に繋げていきたいと思います。

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また、自分がやりたいこととして、市のローカルメディアサイトを作成したいと思っています。自分たちの街や地域のことを発信するサイトを作って、街のPRや交流人口を増やせればと思っています。また、サイトを作ることで、私自身が市内のことをもっと知ることができるし、住んでいる方にももう一度、街の魅力に気づいてもらえるのではないかと思います。ゆくゆくは、街の方にも記事を書いてもらったり、写真を撮ってもらったりできればいいなと思います。

また、サイトを通じて新たな繋がりが生まれたり、イベントなどもできるようになったら面白いのではと思います。といってもまずは細々と初めて、地域の人たちとゆっくり育てていくサイトにしたいという考えです。

また、協力隊の活動拠点として空き家を活用したいというのもあります。

そこを地域の人も気軽に来れるようなスペースとして活用し、協力隊の活動+地域の人たちとの活動の場、にできないかと思っています。また、観光案内所的な要素も取り入れるのもいいかなと思ったり、お茶飲みするだけでもいいので気軽でオープンなスペースにできないかな、などいろいろ妄想しています。

まだ自分の活動の方向性が漠然としていて悩みも多いですが、引き続きよろしくお願い致します。