キッズコーポレーション × 宇都宮大学
働く人図鑑vol.2 1日目は、宇都宮大学で、キャリア教育・就職支援センター様に協力を頂き、開催しました。宇都宮大学から14名が参加しました。
ゲスト企業は、日本全国に企業内・病院内保育サービスを手掛ける株式会社キッズコーポレーション様です。代表取締役 大塚雅斗さんと大阪オフィス支店長 川名伸明さんにお越しいただきました。
「キッズコーポレーション」は、12月で20年を迎えます。ベンチャースピリットを持ち続け、なにより企業理念である”kids first”を最優先にした事業経営は、全国でも高く信頼と信用の評価されています。先日発刊された『The First Company2014-未来を切りひらく業界の先駆者たち- 』(2013年、ダイヤモンド社)にも掲載されています。
キッズコーポレーション沿革
20年前に6畳一間から始まった会社は、現在、全国で60施設の保育園を運営し、600名を越える社員と共に、グローバルベンチャーとしての発展を描いています。加えて、風と緑の幼稚園(宇都宮市下栗町)も運営しています。そもそも社長の大塚さんは、幼児教諭として、幼稚園で子どもと向き合う最前線にいました。そこから自分の目指す幼児教育を考え、全国の300を越える幼稚園・保育施設を巡り、「自由教育」に辿りつきました。責任と規律を伴う自由の中で、子どもの個性に光を当てた関わりを手ていしています。今や、「風と緑の幼稚園」は入園希望者が殺到し、申込みには、行列ができるほどです。
川名さんにとっての「働くこと」
そうした子どもと関わる現場に、2年前、1人の男性が入社しました。現在大阪オフィス支店長の川名さんです。川名さんは、入社前は、地元宇都宮大学を卒業後、全国に展開する大手飲食店で働いていました。寝る間を惜しんで働いていましたが、周りもやる気のある人たちだったので、頑張ることができていました。
ある時、自分の将来を自問した時、学生時代にお会いした大塚社長が浮かび、連絡をし会いにいきました。何年も連絡をしていなかったにも関わらず、大塚さんは、忙しい時間でも話を聞いてくださり、自分が大切にしたいことと大塚さん、会社が大切にしたいことが一致していくことを感じてました。そこで、大塚さんにここで働かせて下さいとお話したのがきっかけです。
それからというもの、川名さんも父となり、自分が行かせたい保育施設、子どもが笑顔になる保育施設を広げていけるよう現在、関西エリアの新規開拓を行っています。“大企業での働いていた経験と、現在の会社での経験とでの違いを感じることはありますが、やりがちを持ち続けられて、自分にフィットしているのは、今の仕事です”と話す川名さんは、実際のお仕事内容や一週間のスケジュールなど、魅せてくれました。仕事に夢中になれるのは、企業理念(会社が大切にしたいこと)に共感しているからこそ。それを日本中に広げられたら、大げさな話戦争はなくなると思っています。
トークセッション
後半は、いつもどおりの台本なしのトークセッション。参加学生からの質問票からコーディネーターとゲストのセッションが始まりました。 実際の質問の一部を紹介します。
大塚さんへの質問
- 従業員に対して徹底していることは何ですか?従業員に対する社訓は?
- 幼稚園を再生する際、「教育の内容を変えた」とおっしゃっていましたが何をどう変えたのですか。
- 大塚さんの熱い思いはとてもすばらしいと感じました。新しく入ってくる社員さんにその思いを伝えるのは凄く難しいと思うのですが、それをできているキッズCoさんの社内環境とはどういうものでしょうか。
- 起業してから事業を展開させていく上で、大切にすべきことは何だとお考えですか?
川名さんへの質問
- 学生のうちにすべきことを大学時代で見つけて、社長のかばん持ちということを始めたのですか??
- 「いつスタートするのか…」とありましたが、いつどんなことをスタートしましたか。そのスタートは今の川名さんにとってどのような存在ですか?
- 営業を行なう中で、一番つらかったこと、支えになったものを教えていただきたいです。
全員への質問
- 企業理念や社是は、会社の根幹となる物だと思いますが、どのようにつくられましたか。また社員と共有するためにどのような工夫をされていますか。
- ホームページ等で「幼児教育の専門家が集まった会社」という文を見かけました。私は幼児教育に関わることで専門的な知識はないのですがそのような人でも就職の可能性はありますか?
- 少子化についてどう考えますか?また一方で海外では子供の数は増えていますが、海外事業は視野に入れていますか?少子化対策について何か行なっていることを教えて下さい。子どもに携わるしごとができて、良かったことを教えてほしいと思います。
- お話の中で出てきた保育所や託児所などがどれもとても魅力的に見えたのですが、そのような魅力的な施設や企画が出てくるような企画力を養う取り組みや、意見を出しやすくする取り組みがあるのでしょうか?
- 「働く」中で様々な困難にあったと思いますが、どのように対処してきましたか?またその際に大切にしていたことはありますか?
- 御社の保育方針や保育目標は子どもを常に中心に考えていて、とても素晴らしいと思います。ただ、親や先生など大人の価値観や大人が「こうした方が良い」と思うことを押し付けがちば他の教育現場(家庭や学校など)において、子どもたちが混乱してしまうのではないでしょうか。
など多様な質問がでました。
学生の積極的な問いに対し、率直にお答えいただき、ありがとうございます。
参加者の声
参加者アンケートでは、 92%が”中小企業での就職意識が高まった。91%が満足(うち83%が大変満足)。と応えてくれています。
参加者の声を一部紹介します。
- 社長だけでなく、社員さんのお話を聞けたこと。働く意識がどれだけ共有されているか、立場の違いで働き方、想いがどう違うかを理解できました。
- どの業界、分野に関わらず熱い思いを持つべきだったと教えてくれた。
- 社長や優秀な若手社員の仕事の話を職業観・人生観について非常に勉強になった。
- 講演者との距離が近かったので、目を合わせて話すことができたのがよかったです。
- 社長直々に熱い思いを語っていただき、とても心に響きました!
- 中小企業の良さがよくわかっていなかったが、一人一人が活躍できるということが伝わった。中小企業に関心を持てた。
大変、お忙しい中、お時間を頂き、お話下さった大塚さん、川名さん、どうもありがとうございました。また参加して下さった学生の皆様、ありがとうございました。また多大なご協力頂きました宇都宮大学の末廣先生、白川室長をはじめ、関係者の皆様方、ありがとうございました。
なお、この事業は、平成24年度補正「地域の中小企業人材確保・定着支援事業」の一環で、株式会社TBCスキヤツト様と協働で実施させて頂いております。