これから、どこで何をする?

1/9(土)、SOOO dramatic & rebootにて「LIFE CARD~これから、どこで何をする?~ 移住シミュレーションボードゲームワークショップ」が開催されました。栃木県出身、あるいは栃木県に興味・関心がある若者が集まり、ボードゲームを通して「移住」や「地方での仕事」について考えるというワークショップです。

ドイツのボードゲームに学ぶ

参加者は15人ほど。まずはゲストの安藤哲也さんから、ボードゲームについてのお話を伺いました。安藤さんがワークショップに活用しているドイツのボードゲームは、「運」の要素と「頭脳」の要素がバランス良く盛り込まれていて、大人と子どもが対等に遊べるという特徴があるそうです。

安藤さんの説明を聞いた後、3グループに分かれて、ボードゲーム2種類を実際に遊んでみました。どちらもルールがわかりやすいのですぐに遊べますが、奥は深く、誰もが夢中になれます。初対面だった参加者同士も緊張がほぐれて打ち解けることができました。

今回のメインプログラム

その後はいよいよ、今回のメインとなる「これからの人生をシミュレートするボードゲーム」のワークショップです。
このゲームでは、プレイヤーは「居住地」と「職業」を選択したり、「給料」や「資源カード」をもらったり、場合によっては「トラブルカード」を引いたりしながら、大学卒業後の22歳から40歳までの18年間を体感します。「資源カード」はランダムに引くのですが、『恋人』も「資源カード」の中に含まれています。そのため、『恋人』を引き当てられないと結婚できないというルールになっています。

どんな居住地や職業を選ぶかという「頭脳」の要素、「資源カード」や「トラブルカード」で何を引き当てるかという「運」の要素が盛り込まれています。

このようにボードゲームの基本的なルールは用意されていますが、ワークショップは参加者自身で次のことを決め、ゲームを完成させるところから始まりました。

  1. 勝敗条件
  2. 資源カードの内容

勝敗条件については、ゲームの中間地点やゴールで「自分が体感した人生」をアピールして、グループメンバーの投票により獲得できる「リア充ポイント」を使うという点はどのグループも共通でした。リア充ポイントのみで判断するか、それだけでなく貯金や子どもの数なども加味して判断するかがグループごとに異なるものになりました。

「資源カード」は居住地のゾーンごとに作成します。ゾーンは「東京」「栃木の市街地エリア」「栃木の製造・研究開発エリア」「栃木の観光・農業エリア」の4つ。エリアごとの特産品や、特徴的な場所・人などを資源としてカードに記入していきました。参加者それぞれに栃木への思い入れがあるため、マニアックな物や地名なども飛び出して会話が弾み、楽しい時間となりました。

勝敗条件が決まり、「資源カード」を作り終えたらゲームスタートです。1年目は全員東京からスタートしますが、その後は見事にバラバラでした。東京に留まり続ける人や、スローライフに憧れて移住する人。または、一度は移住したけれど東京に戻ってくる人など。職業選択や給料の使い道にも個性が表れるので、ひとつとして同じプレイスタイルはないと感じました。

このゲームには「リスクチップ」というものがあり、「リスクチップ」が4枚たまったプレイヤーは「トラブルカード」を引かなくてはなりません。
「リスクチップ」がたまる条件は「転職」「同じ居住地に連続して住み続ける(リスクがたまる年数は居住地によって異なる)」「資源カードを1枚多くもらう」の3つ。「トラブルカード」を引くと無職になったり、せっかく手に入れた資源カードを失ってしまうこともあります。最後までハラハラドキドキしながら楽しめました。

印象的だったのは、参加者全員が「ボードゲームで体感した人生」をどのようにアピールするか真剣に考え、他の人のアピールにもじっくりと耳を傾けていたことです。ゲームが白熱して予定時間をオーバーしてしまいましたが、全員がとても充実した表情をしていました。

最後に

最後は、安藤さんにワークショップのまとめをしていただきました。
このボードゲームのポイントは以下の2点だそうです。

  • 資源カード作り(地域ごとの魅力について考える)
  • 自分の「人生」で、どこにリスクを負うかを考える

また、「自分の人生設計を考えるときは、周りでお手本になる人を探すといい」というお話もあり、勉強になりました。

地方での暮らしや移住について考えるイベントはたくさんありますが、ボードゲームを活用したものは初めてだったので新鮮でした。
ゲームを通じて、自分でも気付いていなかったような願望に気付くこともあり、非常に興味深いものでした。第2弾の開催を期待しております。安藤さん、運営スタッフの皆様、どうもありがとうございました。

(レポート:プログラム参加者 小嶋真以)