ソーシャルビジネスについて学び、アクションを起こす短期プログラム!

今年で4年目を迎えるソーシャルビジネスセミナー、いよいよ始まりました!

今年は全7回講座に拡充し、去年より個人ワークがより充実したプログラムになっています。

そして、今日は第1回目。

県外で活躍する社会起業家をお招きして、「社会をよくする仕事が生まれる原点とは」をテーマに、ゲストの事業内容や自身の背景などを寝掘り葉堀り聞いていきました。

 

ゲストトーク「社会起業家による取組み紹介」

まず1人目のゲストは、有限会社ビックイシュー日本 東京事務所所長の佐野未来さんです。
「こんな私みたいな普通の人でもできるってことを伝えられたら…」と始まった話。

佐野さん、実はビックイシューを立ち上げる前は、海外に留学したことがきっかけで英語学校の教師をやっていて、
ホームレスとは縁もゆかりもない生活を送っていました。
ホームレス問題を知ったのは、留学が終わり帰国した時。

留学前にはいなかったホームレスが、帰国したら駅のホームにずらりと。

そんな姿を見ながら、「どこからでてきたの?」「なんでこんな豊かな日本で?」「なんで誰も何もしないの?」と思いつつも、日本で働く毎日。

「自分が通勤で毎日行き来する道の1メートルもない距離に横たわるホームレス。たった1メートルの距離に、大きくて深い溝を感じた…。」と語る佐野さん。

こんなにも身近にいるのに別世界のようで、みんな見えているのに見えないふりをしていたそうです。

そんな現実から、ホームレス問題に関わるようになったきっかけは、立ち上げメンバーの一人が、ホームレス問題に先進的に取り組むビックイシューのあるイギリスに行き、録音してきた話の文字おこしをお願いされたのが最初。

本を販売することで、「声をかけたいけど、何かしたいけど…目的もないし、怖い」と感じる人が、気軽に声をかけることができる。そこから、人との関係性が生まれていき、路上に寝ていた人が立ち上がっていく。

そんな光景が浮かんだという。

 

ここから、創設者の一人として、3人で日本版ビックイシューを立ち上げることに。

ビックイシューのポイントは2つ。

①質の高い雑誌であること
②ホームレスの人だけが路上で販売できる「独占販売」であること

(有)ビックイシューは出版社として雑誌を作り、それをホームレスが路上で売り、収入をあげていくことで、自立し卒業していく流れ。

また、現在「認定NPO法人ビックイシュー基金」を立ち上げ、行政や市民を巻き込みながら、仕事づくり+αの支援にも取り組んでいます。

 

2人目は、NPO法人トチギ環境未来基地の塚本竜也さんです。

私たちの先祖が代々大切に育ててきた里山は、管理放棄による荒廃が問題視されています。そんな荒廃した里山を若者たちと一緒に整備することで、里山を蘇らせていく取り組みをしているのがNPO法人トチギ環境未来基地です。

日本の里山の現状というと、

・海外から安い木材が大量に輸入されており、木材価格が暴落したことで、森林の管理費を賄えない。

・エネルギー革命で木材が使われなくなった等による消費減少。

これにより、仕事として成り立たなくなった林業だが、森林は仕事だけでなく、多面的機能(土砂災害の防止、水源の涵養等)暮らしも支える大事な役割を持っています。

なので、元気な森であり続ける必要があります。

そこで、目をつけたのが、市民やボランティア、若者の力です。

昔までの森林ボランティアは体験ベースで、森林自体の変化や成果は小さい中、米国で出会ったロールモデルが「米国コンサベーションコア」です。これまでに2万6千人の若者が参加し、1年間森林整備に取り組んでいます。ここのすごいところは、1つは1年間という長期活動のため得るスキルも高いこと、そして、2つ目は経済的理由で大学進学が難しい人向けに給付型奨学金がもらえるようなサポートがついていたことだったそうです。

若い人の力を必要としている現場と若者をつなげて、成果を出しながら、その時間が若者自身の人生を切り開くキャリア形成のサブシステムになっていることに感銘を受けたそうです。

そんな米国での学びを持ち帰って取り組んだのが、今の団体。

そこで若者が中心となって取り組むのが、

①地域の人たちの「想い」を形にすること
若者だけで集まってやるより、地域の色んな人を巻き込んで、地域が求めることを一緒に考えて取り組むことが、より活動に深みをもたらす

②誰でも活躍できる、ともに活動する輪を広げる
参加したくても参加できない人を減らし、多様な切り口をつくる事で、色んな人を巻き込む。

③里山に「現代的な価値を」

整備した森を維持していくためには、企業のCSRや新人研修等の受入を通して、利用価値を高めていく。

「森林整備だけをきりとると業者の方がいいかもしれないけど、参加を通して色んな人と森を繋げることで、日本の森が変わる。」という最後に言葉には、森林整備だけでなく、今の社会に必要とされる若者支援、そして地域の人との協同を大切にした多様な価値を生み出す存在であり、それがこれからの日本の森を作っていくんだと感じました。

参加者の皆さんは、社会起業家からアイデアを事業化させるポイントを学び、活動イメージを持つことができたのでしょうか

次は、自分たちのアイデアに向き合うやり方を学んでいきます。