震災後に福島で生まれた手仕事商品を訪ねる
3月8日早朝、11人の参加者が集まり、バスで福島県いわき市に向けて出発です。約2時間半かけて、いわき市に到着。1つめのスポットは、とよマルシェです。
とよマルシェ
とよマルシェは、豊間地区の地元の人々によって運営されている復興商店街で、2014年12月にオープンしたばかりです。
とよマルシェのある豊間地区には、大きな災害公営住宅があります。仮設住宅には住める期間が決められており、災害公営住宅に移る人々が増えてきています。そこで生活する人々の生活を支えているのがとよマルシェ。食堂や食料品店、宿泊施設が並びます。
鮮魚店の方が私たちに福島についてお話してくださいました。店内においしそうなお総菜もたくさんあり、みなさん試食を楽しんでいるようでした。
ランチは、中華料理屋さんと食堂で食べました。参加者同士の会話も弾みます。学生から社会人までさまざまな人と交流ができるというのも、こういう活動の良いとことです。
地元の人たちの熱い想いとあたたかいおもてなしに触れることのできた時間となりました。
広野手芸有志会の皆さんと
続いて2つ目の訪問先、広野手芸有志さんに到着。
広野手芸有志さんは、FukuFukuが販売のお手伝いをさせてもらっているボディタオル、2枚貝のストラップの作り手さんです。原発事故の影響で広野町からいわき市に避難してきた方たちが手作りで商品をつくっています。今回の旅では、4人の女性が迎えてくれました。
まず、商品についてお話を聞きます。商品が生まれたきっかけ、こだわり、作り方、おすすめの使い方など、作り手さんの想いを知ることがでました。
新商品も続々作られており、タオルかけ、ざぶとん、帽子などバリエーション豊かな商品が紹介されました。「かわいい!」「ほしい!」の言葉が飛び交います。
参加者ひとりひとりに羊の形のアクリルたわしがプレゼントされ、みなさんとてもうれしそうでした。
作り手さんたちは、仮設住宅での生活で大変なことや不安も話してくれました。生活の不安、家族と離れ離れになって寂しいという気持ち、お年寄りは移動ができず、買い物ができなかったり、家にひきこもりがちになるという事実。
福島には、まだまだ課題がたくさんあるということを知りました。
「商品を作っていて、うれしいと感じるときはどんな時ですか?」という参加者からの質問に、「若い人に喜んでもらえること」と答える作り手さん。
私たちが福島の人のためにできることはまだありそうです。
最後には、参加者のみなさんが気に入った商品を買うショッピングタイム。たくさんの商品が売れ、広野手芸有志のみなさんはとてもうれしそうでした。
商品がつなげてくれた福島と栃木の人々との交流の時間。たくさん笑顔が広がっていました。
いわき回廊美術館
さていよいよ最後のスポットへ。いわき回廊美術館です。いわき回廊美術館は、いわき市にゆかりのある現代美術家、蔡國強氏といわき万本桜プロジェクトの共同で創設された美術館です。
市内の子どもたちが“十年後のいわき”をテーマに描いた絵画が展示されており、長さ99メートルある回廊を歩きながら作品を鑑賞できます。子どもたちの絵はとても個性があり、みなさん作品に見入っていました。
美術館を運営するいわき万本桜プロジェクトは現在、里山に2千本の桜を植樹しており、今後99年かけて9万9千本の桜を植樹していきたいとのこと。この地域がいわき市の桜の名所になるかもしれません。楽しみですね。
3つ目のスポットを訪問し終え、無事に旅を周章することができました。
福島の魅力ある商品、人、場所にたくさん出会うことができました。それと同時に、福島の人々が抱えている課題も知りました。
今回の旅で感じたことを栃木に持ち帰り、福島の人々のためにできること少しでも行っていけたらな、と思います。
とよマルシェ、広野手芸有志、いわき回廊美術館、参加者のみなさま、ありがとうございました。