山々に囲まれた地に集まった高校生・大学生たち

 

「1day地域づくり体験」の1回目、NIKKO高校生ボランティアネットワーク「縁人(えんびーと)プロジェクト」への旅が2017年9月9日(土)に行われました。

 

JR宇都宮駅前に集った参加者は、6名。高校生から大学院生まで様々な経歴です。ここから一路、日光市の川俣地区を目指します。

 

約2時間ほどのバスの旅。山々に囲まれた道を進んでいくと、途中には大きなダムが見えます。さらに進んでいくと、今回の活動場所である川俣地区へ到着しました。

 

そこには、同じくバスで日光の中心市街地からやってきた、縁人プロジェクトのみなさんが到着していました。

 

早速自己紹介をして、一緒に活動に取り掛かります。

 

▲各地から集った、高校生・大学生たち

知る人ぞ知る「川俣地区」とは

 

この地区の人口は百数十名ほど。高齢化率が50%を超えるという、超高齢集落です。ダム工事などをきっかけに移転して作られた集落で、かつては林業が盛んでした。しかし、その衰退と共に人口は減り、若者は町の外へ出ていくことになりました。

 

そんな中、縁人プロジェクトでは、地域の高齢者とのコミュニケーションや、お祭り等の運営協力、畑の維持管理などを地域住民と共に行い、まちの活性化に努めています。

 

今回のミッションは、「そば畑の草むしり」と「グラウンドゴルフ大会への参加」です。

 

イノシシも大好き!?そば畑で草むしり体験

 

まずは、近隣の農家が丹精こめて育てているそば畑へやってきました。この地区ではとにかくイノシシなどの鳥獣被害が深刻なため、畑全てが網で覆われています。

 

▲始まる前はまだ余裕の表情。でも草むしりは実際やってみると大変でした。

 

参加者は、長靴に汚れても大丈夫な格好に着替え、早速そば畑の草むしりを開始します。

 

強い日差しを受けて、沢山の雑草が成長していますが、そばがぎっしりと生えているため機械を使うことができません。

 

しゃがんで、根本から草を抜き取っていく必要があります。

▲暑い中、ずっとしゃがんでする作業は思ったよりもキツイ!

 

▲沢山とれたね!

 

小一時間も作業すると、汗でびっしょりになります。昔ながらの方法でそばを育成する苦労を体験した参加者は、何を感じ取ったのでしょうか。

 

草むしりが一段落したら、昼食休憩。地元の集会所をお借りして、持参した弁当を食べます。それぞれ別のバックグラウンドを持つ参加者でしたが、一緒に食事をとりながらだと話も弾みます。

 

みんなが楽しめるスポーツ大会に参戦

 

そして午後は、「グラウンドゴルフ大会」。

 

とても見晴らしのいい場所にある大きなグランドでは、すでに地元の方たちが待っていてくださいました。さっそく挨拶し、チーム分けを行います。

 

▲グラウンドゴルフ未経験者が揃う若者チーム

 

▲中にはベテランの方も?地域の皆様チーム

 

グラウンドゴルフは、その名の通りゴルフのように玉を打ってゴールを目指し、その打数を競う競技。様々な年代の人が楽しめるということで、全国で大人気のスポーツです。

 

学生のほとんどは始めてのチャレンジになります。地元の方からルールを教わり、最初は慣れない手つきでゲームをスタートします。

 

しかし覚えるのが早いのも若者の特徴。プレイしていくうちに、慣れている地元の方とも対等に渡り合うようになりました。

 

ホールインワンが出れば歓声が湧き、空振りすれば応援の声が飛び交います。

 

▲一見簡単なように見えて、ホールに入れるのは運も絡んで結構難しいのです。

 

▲力みすぎると、ボールはあらぬ方向へ飛んでいってしまいます。

 

▲こんなに近い距離で外すこともある。ホールには、魔物が住んでいる!?

 

▲最初は強すぎるくらい、強く打つ!

 

始めて会った地域のみなさんと若者たちですが、1ゲームを終えるころには自然と笑顔でコミュニケーションをとるようになっていました。

 

スポーツは、人を団結させ、結びつきを強める力がありますね。

 

地域づくりについて理解を深めた1日

 

ゲームも盛り上がって名残惜しいところですが、引き上げる時間となり参加学生たちはバスへと戻ります。

 

宇都宮へと戻るバスの中では、様々な感想や意見が出されました。

 

高校生と地域住民との継続的なコミュニケーションはとても重要だということ。

 

いきなり移住を目指すのではなくまずは都市部に住んで交流からはじめるのが地域の活性化には良いのではないか、ということ。

 

地域の自然環境への魅力。

 

一方で、楽しいだけで終わってしまう企画では、地域活性の本質にはつながらないのでは、という厳しい意見も出ました。

 

様々な感想が、体験で得られた気付きの多さを物語っています。地域の活性は簡単な問題ではありません。

 

しかし、これからの未来を担う若者が、その対策の入口にまず立つこと。そして自らが感じ、考え、アクションにつなぐこと。そこにこの活動の意味があるのではないでしょうか。

 

▲多くを学んだ参加者たち。今度食べるお蕎麦はきっといつもより美味しいよ!