ユースの研修を通して・協力隊3か月を振り返って
昨年10月から那須烏山市へ地域おこし協力隊として赴任しました。
埼玉から引っ越してきて、以前は都内でOLをしていました。今まで何度か転職しており、これまで販売・営業・事務の仕事をしてきました。
OLの私が、どうして地域おこし協力隊に応募したのかというと、人口減少で経済成長なんてこの先もうないだろ、という世の中で、このままただ流されるようにOLをしていてもヤバいと思ったからです。
大学のゼミでまちづくりについて取り組んだこともあり、地域活性などに以前から興味があったので、自分もそういった活動に携わってみたいという気持ちもありました。
最初は都心のまちづくり団体やNPOなどへの転職を考えて、自分で調べたりいろいろなイベントに行ったりしてたのですが、そんなとき友人から地域おこし協力隊の制度を教えてもらい、地方にも関心を持つようになりました。そして、面白い生き方や面白い活動をしている人が地方に多く、その人たちの価値観や考え方にも共感を持つようになりました。
今までの価値観や既成概念に捉われず、地方で仕事も住む家もコミュニティも自分たちで作っている人たちがいて、それが新しくて単純に面白いなと思いました。こういった動きが地方で活発になっていて、自分も地方に可能性を感じたのが協力隊への応募につながりました。
協力隊の活動は最大3年です。3年の間は報酬が出ますが、その後はなくなります。3年後もその地域で住み続けるには、生活費を稼がなくてはいけません。
自分で起業するなり、どこかに就職するなりしなくてはいけないのですが、どうせだったら協力隊の期間中に自分で何か事業を起こすことを経験したい、と思って応募しました。
ただのOLだった私にはかなりハードルの高いことですが、思い切って挑戦してみようと思い地方へきました。
那須烏山市の地域おこし協力隊の募集要項には、起業に向けた研修としてこの「NPO法人とちぎユースサポーターズネットワーク」のローカルベンチャー養成講座が盛り込まれていて、こういった団体が関わっていることも心強いなと感じました。
【研修内容】
・宇都宮大学UUプラザ 社会をよくするシゴトのつくりかた全4回出席。
とちぎユースサポーターズネットワーク主催のプログラム「社会をよくするシゴトのつくりかた」に参加しました。
趣旨:『本プログラムは、自身がなんとかしたいという社会課題にアプローチし、社会をちょっとよくするための考え方や知識・スキルを学び、想いをカタチにするための短期入門プログラムです。』
10/12 第一回 シビックエコノミーから学ぶ社会をよくするシゴトとは?
講師:編集者/ジャーナリスト TOKYObeta.Ltd. 江口晋太郎 氏
10/26 第二回 先輩起業家の事例を学ぶ
講師:株式会社タウンキッチン 代表取締役 北池智一郎 氏
11/9 第三回 事業アイデアのつくりかた(1)
講師:NPO法人とちぎユースサポーターズネットワーク 古河大輔 氏
11/30 第四回 事業アイデアのつくりかた(2)
講師:NPO法人とちぎユースサポーターズネットワーク 古河大輔 氏
第一回の江口さんのお話では、シビックエコノミー、シビックプライドとはなんぞや?というのを知ることができました。
まちづくりや地域課題を解決するには、市民=シビックの人たちから声をあげて行動することが大事で、機運をつくったり、機運を盛り上げるのに協力隊も加わっていけたらと思います。
第二回の北池さんは、実際に会社員を辞めて起業した方なので、話がとても具体的でした。辞めてから起業するまでどんなことをしてきたのか時系列に話してくれたり、頭で考えるより足で稼いだ情報が本当の答えだとか、失敗からしか学べないなど、実際にやった人が言う言葉は重みがありました。
また、今のように変化の激しい時代に、3年後・5年後のビジョンをはっきり描くのは困難だし、方向性は見失わずに、いいいように時代に流されるように進むのがいいんじゃないかという話もとても印象に残りました。
第三回、第四回は、事業アイデアのつくりかたを学びました。以下抜粋『事業を立案し、実行するための手法(リーンスタートアップ)を学び、実際にアイデアを考える。』というテーマで、事業アイデアのつくりかたを実際にやってみました。
リーンスタートアップのシートを作成して他の受講者と共有するという内容でしたが、実際にやってみるとシートはなかなか埋められませんでした。
自分がどんな社会課題に関心があるのか、それが本当に問題なのか、自分が何がやりたいのか、などもっと深く掘り下げないといけないなと思います。
ちなみに、いろいろなことに興味関心があるのですが、一番根っこにある想いは「多様性」な気がします。
多様な生き方・考え方を受けいれる地域が誰もが生きやすい地域だろうなと思っています。そういう地域なり地方がこれからは魅力的な場所になってくるのではないか、そういう考えに共感した人がまた新たな仲間として加わり、そうやってどんどん人が集まってくるのではないかと思います。
多様性が大事というその想いをどう事業にするか、は全く具体的にはなっていませんが、これはずっと自分の中のテーマになってくるだろうな、と思っています。
・市内ソーシャル団体訪問&インターンシップ
市内で活動している団体の中から6団体を紹介して頂き、3か月間×2クールという形で団体へインターンシップをするというプログラムを用意してくれています。
趣旨:市内で活躍するする地域づくりのキーマンとの関係構築
地域づくり団体の方の話を通して、那須烏山市の民間のまちづくりの現状の一端に触れる。
今後実施を予定する「ローカルインターンシップ」の着任先の希望を固める。
【訪問先6団体一覧】
◇烏合の手 応対者:齊藤貴広氏(代表)
◇NPO法人那珂川流域悠遊会 応対者:福田正彦氏(事務局長)
◇帰農志塾 応対者:戸松正行氏(塾長)
◇大野果樹園 応対者:大野博康氏(代表)
◇クロスアクション 応対者:高橋誠一氏(代表)
◇NPO法人里山大木須を愛する会 応対者:大貫いさ子氏(事務局長)
どの団体も、やる気やアイデアをすでにお持ちで、まちの活性に貢献したいという気持ちをひしひしと感じました。と同時に、人手不足というのはどこも課題で、私たち協力隊がそこの課題の解決にどこまで携わっていけるか、見極めは必要かと思いました。
また、住んでいる人や出身の人などからは、「なにもない」というのを聞きますが、外から来た者からすると、このように魅力的な人や団体があるではないか、と思いました。
私は現在、「NPO法人里山大木須を愛する会」の方でインターンシップをしています。
こちらの団体は、那須烏山市の大木須地区の里山環境保全を目的に発足された団体で、一昨年度に古民家をリノベーションして開業した都市農村交流施設「ほたるの里の古民家 おおぎす」を所有しています。
冬場は宿泊客がほとんどいないので、里山の冬の仕事やイベントを体験させてもらっています。こうした活動を体験して、よそ者からの目線で情報発信に繋げて、里山の魅力や今後の集客方法を提案したいと思っています。
どの団体も今後いろいろな場面で関わってくるだろうと思うのですが、まずは各団体の活動を知ることが大事かなと思います。
インターンシップは2団体ですが、他団体とも関係づくりはしていきたいと思います。
後編はこちら
コメント一覧
はじめまして! 那須烏山市在住の阿相と申します。
とても興味深く読ませて頂きました。
私自身もまちづくりに大変興味があり、大阪外国語大学を卒業後、那須烏山市に戻り、「
知的障害者のガイドヘルパー(移動の介護)」という事業を立ち上げました。多様性は私も共感することが多く、また、大学時代の知的障害者ガイドヘルパーのアルバイト経験を活かして、誰もが住みよいまちづくりを理念に会を発足させました。まずは、知名度と信頼、そして利用者を増やすため、作業所などでボランティアをしつつ、利用者を募集しました。1年間で利用者は11名になり市から委託を受けるというところまで実績をあげました。そして、NPOの法人格を取得するべき準備の途中で体を壊して、翌年に解散になってしまいました。現在では病気とつきあいつつ在宅にて仕事をしております。
以上が自己紹介になります。
私のまちづくり論は「那須烏山市の産業って何?」を考えることだと思っています。交付金に頼らない自主財源の確保です。那須烏山市は何でご飯を食べていくのか?農業?林業?漁業?観光業?企業誘致?など戦略的な視点が必要だと思います。そして、増えた財源で都会の若者に那須烏山市に住んでもらうための施策に使えばいいのです。たとえば、車の購入費用を助成するとか・・・。
また、私は田舎の魅力を都会の人たちに発信するのか?または田舎を都会化するのか?この2つの視点のどちらかが必要で、私はむしろ後者派です。完全に都会にする必要はありませんが、人口を増やすためには再開発が必要です。それも若者に支持されるような。。田舎の良さを発信することもいいのですが、それだけでは人口は増えません。それが私の考えです。
以上 長くなりましたが、私の感想とさせて頂きます。